第2655回例会(2016.6.6) Regular Meeting

第2655回例会  平成28年6月6日(月) 晴
A  
◇“君が代” “手に手つないで”
   
◇出席報告
  会員:91名  出席:64名
出席率:70.33%
前々回(5月23日)修正出席率(80名):90.59%
   
◇ゲスト紹介
  米山奨学生 ハッサン・ヌールエルディン君
   
◇誕生日祝福
  末岡夫人(5/21)、各務夫人(6/8)
   
◇ニコボックス
  水野(茂)君(スピーカーを紹介させていただきます)
カルマノ君(上智大学・南山大学スポーツ大会で、
      南山大学が優勝しました)
多和田君(安藤さんからホールインワン記念を頂きました。
     ホームクラブご無沙汰しました)
平野君(新実さんにお世話になりました)
新実君(先週は卓話のご静聴ありがとうございました。TOEICの本を
    追加でお持ちしました。ご自由にお持ち帰り下さい)
山田(信)君、澤井君(新実さんより本を頂きました)
野田(剛)君(無事に退院いたしました)
生島君(米山奨学生ハッサン・ヌールエルディン君をお迎えして)
稲葉君(ニコボックスに協力します)
末岡君、各務君(夫人誕生日祝)
栁澤君(結婚記念日祝)
   
◇増田会長挨拶
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   会長挨拶も残すところあと4回となりました。競馬で言いますと、第4コーナーをまわってホームストレートに差し掛かったところかと思います。落馬しないように最後まで辿り着きたいと思います。
 1年間、印象派の絵を中心に19世紀の絵画の話をしてきましたが、今日は印象派の絵画を語るときにどうしても欠かせない文学者、エミール・ゾラのお話です。
 ゾラは、モーパッサンと同じ時期に生きたフランスの流行作家です。また、印象派の画家たちを擁護したことでも有名です。
 彼自身も小説で現実をありのままに描くという点では、印象派と似ています。19世紀後半の社会事情を表している彼の代表作『居酒屋』『ナナ』は当時の大ヒット作でした。
 『居酒屋』のヒロインは貧しい洗濯女、必死に働いて金を貯め、ついに自分の店を構えますが、夫の怪我が元で、暮らしは困窮し、アルコールに逃げ場を求め、ついに惨めな最期をとげる。そんな彼女の娘がナナです。両親の姿を見てきたナナは華やかな生活に憧れ、美貌を武器に高級娼婦となり、次々に男たちを破滅させた挙句に、若くして天然痘で死んでしまいます。
 どちらも暗澹たる小説なのに、大ベストセラーになりました。その時代背景を忠実に表していたためでしょう。身近にこうした例がいくらもあると感じていた人が大勢いたからこそと思います。
 当時の絵画、ドガの「アイロンをかける女たち」。ドガは、その時代の一こまを切り取る絵をたくさん描いています。この絵はゾラが居酒屋のヒロインを洗濯女にするきっかけとなった絵とされています。
 当時のパリでは都市整備のため、セーヌ川での洗濯が禁止され、代わりに蒸気による洗濯屋が発達しました。その労働条件はかなり苛酷であったと思われます。その条件下で働く女たちの日常がありありと描写されています。
 この絵はドガの物事を苛酷なまでに的確に捉える辛辣な観察眼が最もよく示された作品としても特筆に価すると思います。
 そして、もう一枚、「アブサン」もドガです。
 アブサンはニガヨモギを主に、香草のエキスを混ぜた薬物リキュールで、いわばアルコールと麻薬を混ぜたものと思ってください。アルコール度数は約70%。過度に摂取すると、普通のアルコールとは比較にならない過激な作用、幻覚、虚脱感、精神障害などをもたらしました。20世紀初頭に製造が中止され、現在アブサンとして売られているのは、名前だけ同じの、似て非なるものです。
 この絵の中の二人は、一夜を共に明かした客と娼婦だとわかります。女性の虚ろな目、半ば人生を諦めた姿は、都市の抱える闇を残酷なまでに浮き上がらせています。
 そして、ゾラの「ナナ」から題材を得ました「ナナ」という絵もあります。そのゾラでさえ、住み込みの小間使を愛人にして、別宅を構え、子供まで作っていました。19世紀後半のフランスはそんな時代でした。住む時代を間違えたと思っている人はいないでしょうか。
   
◇講 演
  “先端技術で迫る古代エジプトの謎”
エジプト考古学者
名古屋大学大学院CHT共同研究員
米国古代エジプト調査協会調査メンバー
河江 肖剰
(紹介者 水野 茂生 君)
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   考古学といえば、作業は非常に地道なものですが、今は先端技術が導入されつつあります。現在の考古学は様々な分野の方々と共にスクラムを組んで一つの謎に挑んでいます。
 その中で私が挑んでいる謎は、エジプトのピラミッドです。
 ピラミッドの謎は、実は、解けていません。
 これだけ有名な建造物で、4500年前に作られた人類最古で最大の建造物であるにかかわらず、まだピラミッドの謎が解けていません。
 考古学者である私たちの職業は発見ではなくて、本来は記録です。記録によって古代というものを理解しようということです。
 ピラミッドの謎がなぜ解けていないかというと、実は記録がまだ取れていないのです。これだけ有名であるにもかかわらず、まだちゃんとした記録が取れていない。これが、謎がとけていない一つの大きな理由になります。
 これを私たちのチームが新しい技術を以て記録を取り直すことにより、ピラミッドの謎に挑もうとしています。
 ギザのピラミッドで、クフ、カフラー、メンカウラーという3つのピラミッドが有名ですが、第4のピラミッドと呼ばれているものもあります。それは、ケントカウエスという女王のために作られた墓です。これを、今までの考古学者は、ガイドブックで見るような、線画で記録していました。ところが、実際の形は、表面は石がガタガタしているために、まっすぐの線ではありません。これは当時どのように作られていたかという復元図であって、現状を記録しているものではないのです。
 私たちは、10年ほど前から3次元計測でピラミッドの記録を取っています。当時は非常に新しい技術で、機械も高くて、2000万円くらいのレーザー機器を用いて記録しました。
 最新の考古学のデータは、点群データと言いまして、1秒間に数万点、最近では数百万点のXYZの点のデータ、それぞれのデータには色情報があり、線画とは比べものにならないぐらいの情報があります。
 ケントカウエスのピラミッドで、エジプト考古学で初めて精密な情報を取れました。私たちはこれをさらに今度はギザの3大ピラミッドにも適用し、どうやって作られたのかを考えようとしました。
 ピラミッドの北東の角の80メートルぐらいのところに窪みがあります。そこに、洞窟みたいな空間がありました。
 ピラミッドは非常に精密で、石の間はカミソリ一枚も通さないというイメージがあります。実際外側はそうです。しかし、内側は、石がグチャグチャと積まれています。石と石の間にモルタルが埋まっていたり、瓦礫が嵌っていたりするところもあって、「非常に人間くさい」建物です。そこの記録を取りました。
 ピラミッドについて、綺麗に石が並べられている、中に階段型のコアがある、レイヤー状に層のようになっているのではないかという3つの説が、100年ほど信じられてきました。
 ところが、実際に3次元データを作り、復元してみたところ、そうではなかったのです。これによって、ピラミッドがどのように造られたかを研究しているところです。
   
◇次回卓話(6月13日)
  “水よもやま話”
会員 野原秀雄 君((株)三協 代表取締役)
   
◇次回会合
  囲碁同好会夏季大手合せ・懇親会
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